スタンフォード大学名誉教授 Stephen W.Tsai 先生 ICC訪問&特別講演
4月24日(水)にスタンフォード大学航空宇宙学科の名誉教授であり、金沢工業大学の客員教授でもあられるStephen W.Tsai先生がICCにご来訪され、同日行われた第78回ICCフォーラムにて特別講演をしていただきました。
Tsai先生は、1952年エール大学卒業、1961年工学博士を取得。 フォード・モーター、ワシントン大学、米空軍材料研究所、スタンフォード大学にてFRPを中心とする複合材料の研究に邁進され、FRPの強度について数々の法則を世に発表し、学問体系の構築に多大なる貢献をされてきました。複合材料界で最も権威のある国際会議ICCMの創設や、国際学術誌であるJournal Composite Materials の創刊をされるなど、そのご功績は枚挙にいとまがありません。今年94歳というご年齢にもかかわらず、パリで毎年開催される世界最大級の複合材料の展示会JEC World にて来年ご講演を予定されるなど、いまなお世界中を飛びまわり、複合材料の普及に向けて精力的に取り組んでおられます。
フォーラムでの講演タイトルは、疑似等方の対象積層を基本とする従来の積層理論に対し、ダブルバイアスの組み合わせによる効率的な積層理論を紹介する「A new laminate theory : Double-Double」。フォーラムは対面とオンラインのハイブリッドで同時開催され、多くの企業関係者や大学関係者が参加されました。先生は90分間の講演中、一度も座ることなくご自身の研究について熱のこもった講演をしてくださり、参加者たちは熱心にその話に耳を傾けました。Q&Aでは活発なディスカッションも行われ、第78回ICCフォーラムは大変貴重で特別な回となりました。