研究活動・成果

革新材料

No.17バイオ由来超耐熱樹脂の開発

概要

4-アミノフェニルアラニン誘導体である4-アミノ桂皮酸由来のバイオポリイミドを合成し、高耐熱(420°Cの熱分解温度)かつ透明(透過率80%以上)な透明樹脂を得ることに成功しました。200°C以上で焦げ目がつき始める難燃化木材に対し、軟化温度が非検出かつ熱分解温度が400°Cを超え、本来自己消化性を持つバイオポリイミドは遥かに優位であることを示しました。また、ナノシリカとの複合化により燃焼時のアンチドロップ性が付与されたことから、高耐熱有機ガラスへの応用が期待出来ます。

遺伝子組み換え大腸菌から生産した新しい微生物資源である4-アミノフェニルアラニン(4-APA)をジアミンモノマーとして用いて種々の構造のバイオポリイミドの合成に成功しました。

これを合成する際にイミド化温度が極めて重要であることが分かり、250℃まで段階的に加熱することで溶解性の高いポリイミドを合成しました。この中には400°Cを超える10%熱分解温度を示し、中でもカルボン酸モノマーとして3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いて合成したものは427°Cとなりました。一方、4,4'-ジアミノトルキシル酸由来のバイオポリイミドに関してはその塩をシリカと複合する条件を見出し、最適組成のサンプルは溶媒に溶解可能で分解温度400°Cを超えかつ100MPaを超える力学強度となり10gのスケールでの合成にも成功しました。したがって、燃焼試験の行えるサイズのコンポジットを得ることが可能となりました。UL94燃焼試験試験の結果、残炎時間が1秒以下でアンチドリップ性を確認する事ができたため、最高のV-0規格であることが分かりました。従来技術・競合技術としてはフッ素を導入した難燃性有機ガラスがあるが強熱時に発生するハロゲン系の有毒ガスが問題となっています。本技術はハロゲンを含まないためこのような有毒ガスの発生する可能性は無いことが利点です。また非ハロゲンによるコスト減も期待できます。建築材料としての高耐熱樹脂の開発を目指していましたが、透明性とアンチドリップ性を活かした防炎垂れ幕への応用が期待されます。


  • 軽量有機ガラス

  • 高耐熱有機ガラス