BASE OVERVIEW拠点概要
金沢工業大学COI拠点の取り組み
金沢工業大学は、2013年に文部科学省(MEXT)の「革新的イノベーション創出プログラム」(COI STREAM)にCOI12拠点のうち、私立大学で唯一のCOI拠点として採択されました。その後、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」において、9年間の長期にわたり、拠点ビジョン(目指すべき将来の姿)を掲げ、多くの企業・機関の研究者が一つ屋根の下(アンダーワンルーフ)で革新的な研究開発に取り組んできました。
本拠点では、目指すべき社会(安全・安心で、長期間に亘って価値を失わない数世紀社会)の具現化を図るため、「革新素材」と「革新製造プロセス」の融合により、従来の鉄やコンクリートに代わる、軽量・高強度で長寿命、低コストかつ加工し易く大量生産可能な「革新構造材料」を開発し、次世代インフラシステムとして社会実装することによる社会コストの低減と新たな価値の創造、さらにはバイオマスを利用した技術による環境負荷の低減や原料コストの低減の実現を目指した取組を行いました。
金沢工業大学COI 拠点ビジョン
革新材料による
次世代インフラシステムの構築
~安心・安全で地球と共存できる数世紀社会の実現~
目指すべき将来の姿(拠点ビジョン)
拠点名
革新材料による次世代インフラシステムの構築拠点
実施体制
プロジェクトリーダー | 池端 正一 (大和ハウス工業株式会社) |
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研究リーダー | 鵜澤 潔 (金沢工業大学) |
中核機関 | 金沢工業大学 |
参画機関 |
(2021年4月現在) |
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中心実施場所(プラットフォーム):金沢工業大学
革新複合材料研究開発センター(ICC) - 大空間の研究開発エリア
研究活動
本拠点は、異業種・異分野による共同研究や産学官の連携を背景に、川上(基礎研究)から川下(産業への適用研究)まで、アンダーワンルーフで一貫した研究開発を推進してきました。
革新材料による次世代インフラシステムを構築することで、安全・安心で、長期間に亘って価値を失わない社会の実現を目指し、 革新素材の開発、革新製造技術の確立、アプリケーションの開発に取り組みました。
プラットフォームの構築
本拠点では、複合材料分野における企業との適用研究を実施するプラットフォームとして、オープンな環境で簡単にアクセスできる拠点(ICC:革新複合材料研究開発センター)を整備し、COI研究者が一つ屋根の下に集って研究開発を実施してきました。平成30年にはICCに製品開発・実証開発を可能にするクローズな環境を整備し、地方創生を担う国内最大の研究開発拠点となっています。
また、国内外の関連業界とのネットワーク形成にも積極的に取り組み、研究開発成果の社会実装を推進してきました。その結果、インフラ分野に加えて、スポーツ用品・工場アシストスーツや航空機部材など、新たな分野への展開が生まれました。
国内の連携
- 土木分野への革新材料実装研究会:ゼネコン、部材メーカー等のユーザー、ならびに鉄道、道路、電力、港湾等の研究機関、発注者からなる研究会
- ほくりく先端複合材研究会:約60社の先端複合材に関心をもつ企業による研究会
- コンポジットハイウェイコンソーシアム:ICC、NCC(名古屋大学ナショナルコンポジットセンター)、GCC(岐阜大学コンポジットセンター)の3つのコンポジットセンター、東海北陸を中心とする地域の公設試験場、ならびに関連自治体によるコンソーシアム
- 経済産業省 J-Innovation HUB地域オープンイノベーション拠点:事業初年度に全国9拠点の一つに選抜
海外のコンポジット研究開発拠点との協力協定や連携
海外とのネットワーク
- ドイツ:Composite United e.V.
(前 CFK Valley、産業クラスター) - フランス: EMC2
(産業クラスター) - 台湾:PIDC
(Plastic Industry Development Center、産学の研究拠点) - 韓国:KC TECH
(産業クラスター) - マレーシア:プトラ大学
これまでの成果を基に、さらに多くの新しい企業・大学・機関との連携をはかり目指すべき社会の実現に向け取り組んでいきます。研究開発とその社会実装に向けた取組み、持続的なプラットフォームの構築への活動、この二つを今後も継続していきます。
COIプログラム
センターオブイノベーション(COI)プログラムは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)により2013年度に開始されました。
- 10年後、どのように社会が変わるべきか、人が変わるべきか、その目指すべき社会像を
見据えたビジョン主導型のチャレンジング・ハイリスクな研究開発を支援。
COIプログラムのコンセプト
COIプログラムは従来にない三つの大きな特徴を持ち、企業や大学だけでは実現できない革新的なイノベーションを産学連携で実現し、革新的なイノベーションを創出するプラットフォームを整備することを目的としています。
バックキャスト型研究開発 | シーズから実用化を発送する「フロントキャスト」型ではなく、社会のあるべき姿を出発点として取り組むべき研究開発課題を設定する「バックキャスト」型の研究開発 |
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アンダーワンルーフ | 「一つ屋根の下」大学や企業の関係者が議論し、一体となって研究開発に取り組むイノベーション拠点の構築 |
支援規模 | 革新的でチャレンジング・ハイリスクな研究開発に対し、最長9年度、拠点あたり年間1~10億円程度(間接費含む)の支援 |