ICCの理念と目的 〜所長メッセージ〜

炭素繊維複合材料の飛躍的普及で社会と暮らしが変わります。

「複合材料を今よりもっと幅広く、多くの分野で利用するために、企業と連携して適用技術の研究や製品開発を支援する」これが革新複合材料研究開発センター(ICC:Innovative Composite materials research & development Center)の理念です。

繊維と樹脂を組み合わせただけでは、それはただの材料です。どの素材を使うか、どんな形の部品にするか、それをどうやって作るか、性能とコスト競争力を両立する複合材料製品を現実のものにするには、材料から設計、製造技術、さらには製造装置までを含めた複合技術による開発が求められます。それは、単に共同で開発する場所があればいいのではなく、基礎研究から製品開発まで、全ての研究者が密接に連携して情報交換できる環境が不可欠です。

ICCは、複数の大学や企業との共同研究による異分野・異業種の技術融合を図り、具体的な適用研究や製品開発を通して、複合材料の活用技術、知識の共有化とともに新たな市場形成をめざします。

革新複合材料研究開発センター
所長  鵜澤 潔

背景- 材料としての可能性と市場性

炭素繊維複合材料は鉄の10倍の強度を有しながら重さは4分の1という、日本が生み出した革新的な材料です。軽くて強く錆びないという特徴は、今までの鉄やアルミニウムでは実現できなかった新たな価値を生み出します。錆が問題となる橋やトンネルなどのインフラへの適用、鉄では重すぎて実現できない深海掘削のパイプの実現、強度が問題で実現できていない帆走船の帆など、材料として革新的な可能性を持っています。

炭素繊維複合材料の7割は日本で生産、供給されていますが、実際に製品化する技術は欧米が世界をリードしており、日本国内の製品生産量は世界全体の1割にも満たないのが現状です。このことは、国内企業がすでに持っている材料の生産力や高い品質管理能力に加え、製品化の技術、市場への適用技術に磨きをかければ、現状ですでにこの材料の適用が進んでいる分野であっても大きな市場が待っていることを意味します。また、この材料の加工性の向上や大型化の技術開発が進めば、現状では適用されていない無数の分野への進出が可能で、この材料の市場性は無限大だと私たちは考えています。

ICCの方向性- 基礎研究から製品化まで支援し、成果を公開

炭素繊維複合材料の生産は一品一品手作りで作っている状況に近く、鉄に例えれば江戸時代の加治屋さんのレベルです。材料開発の段階から、現実の形にする、現実の構造物にする、この適用研究がいまの日本に欠けています。

ICCは、この優れた性能を持つ炭素繊維複合材料をいかに商品にするか、実際の形にするための技術や方法を研究しています。大きい部材生産技術、低コストでの量産技術、これは地味な技術革新かもしれませんが、それによって実現される社会への革新効果は大きいと考えています。
大学を中心とする材料等の基礎的な研究を行う機関と、製品化を目指す企業、産業の活性化をバックアップする国や地方自治体を巻き込み、オープンな研究環境を提供して異分野の融合による知的生産の革新を引き起こして、社会に革新をもたらす研究開発を行ってまいります。また、公的な研究機関という立場から、研究から得られた成果は、積極的に社会に公開いたします。

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